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「あさが来た」 ロケ地とゆかりの地(中間まとめ)

2015年度後期、NHK大阪放送局制 作の連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」が好評だ。
10月21日(水)には番組最高視聴率23.6%(関東)を記録し、既に前作「まれ」の最高22.7%を超えている。

[新着情報] 「あさが来た」 ラッピング電車・バス を追加(2016.5.14)new

 

moneybag今井家のロケ地

主役あさ(演:波瑠)の実家、京都今井家のロケが行われたのは奈良県橿原市今井町。

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今井まちづくりセンター 。ドラマでは街灯を上手く隠している

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このアングルもよく出てくる

今井町は、戦国時代に形成された環濠都市だ。江戸時代の建物が多数現存し、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
実在の浅子さんは京都の出水三井家の出身だが、実家のロケ地に敬意を表してドラマ中では今井家としたのだろう。
ちなみに、今井家を名乗る商家がドラマで仔細に描かれるのは、おそらく1978年大河ドラマ「黄金の日々」以来であり、懐かしく思っている人もいるかもしれない。この作品に登場する堺の豪商今井宗久は実在の人物で、今井町の出身と言われている。

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橿原市立今井まちなみ交流センター「華甍(はないらか)」 に展示されている江戸時代の今井町復元模型

今井町は、2013度後期連続テレビ小説「ごちそうさん」でもロケが行われており、近年では日本生命のテレビCMにも登場している。
メジャーなロケ地で歴史的価値の高い街並みでありながら、シルバーウィーク最初の日曜日に訪れたところ、見渡せる範囲の観光客は片手で数えるほどしか居なかった。この日は岸和田のだんじり祭りも開催されていて、そちらへ十万人単位で観光客が流れた可能性もあるし、「あさが来た」の放送開始1週間前で知る人ぞ知るという事情もあるだろうが、それにしても少すぎる。飛鳥村の方が渋滞で近づけないのでこっちに流れてきたという方が何組かおられ、そもそも今井町を本命で訪れる方が少ないようなのだ。
ボランティアガイドさんによると、「宣伝していないし、お店(土産物店・飲食店)もほとんどないから」とのお話。

これまでの映像作品ではスポット的な登場だったけど、「あさが来た」では町内のシーンが繰り返し使われるので、今週あたり来訪者は激増しているかもしれない。 

moneybag加野屋・白岡家のモデル

「あさが来た」のヒロインのモデルは、大同生命の創業者の一人の広岡浅子である。
これにちなんで「大同生命の源流“加島屋と広岡浅子”」という特別展示が、7月25日から大同生命大阪本社で行われている。

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肥後橋駅近くの大同生命大阪本社ビル。この地に浅子が嫁いだ加島屋があった

遅ればせながら先週行ってみた。
平日19時まで、土休日は16時まで(無料・入場は終了時刻の30分前まで・月曜日は団体のみ)と、主催者も気合が入っている。

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写真撮影可能なのは、メモリアルホールの入口パネルまでとのこと。ただ、掲示などなく、展示資料をスマホで撮影する人を見掛けた。
新撰組の借用証文は土方歳三のサインなどがあって人目を引いたが、加島屋に証文が残っていたところをみると、組への借出金は返済されなかったと推定されている。

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江戸時代の佇まいのままの加島屋。原案小説「土佐堀川」は手前を流れる川の名前からとられた

昨年、開催された大同生命の創業110周年の特別展に関するHP説明文に、メモリアルホールについての記述があった。

『メモリアルホールは、1925(大正14)年から現在の本社ビルへの建替えが行われる1990(平成2)年まで当地にありました、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計による大同生命旧肥後橋本社ビルの内外装の一部を用い、当時の様子を復元再生したものです。』

新しい本社ビルにしてはレトロな年季の行ったインテリアと思ったら、1世紀近く昔に建てられた旧本社ビルのパーツが活用されていた。敷地内には、旧ビル外装正面頂部のテラコッタも保存されている。

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敷地内に保存されているテラコッタ 

ヴォーリズといえば、日本で設計事務所を立ち上げ、数多くの洋館の設計を手掛けている。裁判の末、保存が決まった滋賀県豊郷町立豊郷小学校旧校舎の設計者と言えば最もわかりやすいだろう。
旧大同生命本社ビルの設計に携わった理由は、彼の妻が、浅子の娘婿の妹だったためと推測される。旧本社ビルのパーツを部分的ながら継承する拘りを見せるのは、創業者の親戚による設計ということが影響しているかもしれない。

ヴォーリズは戦前に帰化しており、欧米人として太平洋戦争中に日本に留まった数少ない1人だ。1年前に同じ枠で放送されたマッサンのヒロインのモデルとなった竹鶴リタと、似た境遇に置かれていたことになる。

moneybag五代友厚に会える?

次は、大阪証券取引所ビルと五代友厚(才助)像。40代で亡くなったため銅像も若々しく、イケメンである。
五代の銅像は大阪市内に数体あるらしく、商都大阪にとって忘れ難い人物となっている。

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moneybag明暗を分けた姉妹の人生

広岡浅子の姉 大眉春は、大坂随一の両替屋と呼ばれたこともある今橋天王寺屋へ嫁いでいる。現在の大阪証券取引所ビルの裏手、加島屋から徒歩15分程度だ。

ドラマの中では、姉の名前をはつ(演:宮崎あおい)、嫁ぎ先は山王寺屋とされている。

大阪市立開平小学校(旧集英小学校の敷地)の南側にある碑は、この付近に天王寺屋があったことを示している。天王寺屋五兵衛・平野屋五兵衛という大坂きっての両替商が、通りを挟んで店を構えていたので、その通りの名前を五+五=十兵衛横町と呼んでいたということである。
碑の存在は以前から知っていたが、「あさが来た」のおかげで由来を理解することができた。

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平野屋は現在の開平小学校にあったと言われており、天王寺屋はその西側に建っていたらしい。ただし、十兵衛横町が碑が建っている位置だったとすると、天王寺屋の位置は南側となる。住所はいずれも大阪市中央区今橋1丁目である。

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開平小学校と天五に平五の碑(角右側)

天王寺屋はその後明治維新の混乱の中で倒産、春も1872年(明治5)に27歳の若さで亡くなっている。

moneybag大名借り?

ドラマの中では、あさが宇奈山藩蔵屋敷に赴き借金回収に奮戦するエピソードが描かれていた。浅子が実際に出向いたのは宇和島藩で、加島屋の借入金の返済猶予を認めさせている。「大名借し」が両替屋の重要な業務であったことは知られているが、大名からの資金調達もあったことには驚かされる。
宇和島藩大坂蔵屋敷は中之島と江戸堀の2か所にあり、いずれも加島屋から至近である。このうち中之島蔵屋敷は建築中の中之島フェスティバルタワー・西地区(旧大阪朝日ビル)の敷地にあたり、目と鼻の先である。大同生命大阪本社ビル2階から見た、浅子も見たであろうアングルの写真を最後に掲げておく。

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阪神高速高架橋の向こう側のビルが中之島フェスティバルタワー西地区(建築中の2塔目)

※10月25日23:41アップのものを修正・追記

参考:大同生命HP「大同生命の源流~加島屋と広岡浅子~」
http://kajimaya-asako.daido-life.co.jp/

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