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2015年4月

広島空港 ローカライザーの高さ検証

14日夜、広島空港に着陸しようとしたアシアナ航空機が滑走路外に逸脱し、機体が破損、多数の負傷者を出す事故が発生した。ローカライザーと呼ばれるILSの無線アンテナに衝突し、車輪の1つの制御を失ったことが事故を大きくしたとも言われている。

ローカライザーは滑走路端から325mの位置に高さ6.4mのものが設置されている。通常の飛行であれは高さ30mで通過するので支障なく、法令に準拠した施設と思われるが、高さ制限の厳しい空路上にしては違和感を覚える高さである。

東海ラジオHPのアナウンサーのコーナーで、酒井アナウンサーがこの点を指摘され、
「広島空港でアシアナ機がぶつかったローカライザー高さは6.5mと報道されていますが、アンテナが設置された地面が、実は滑走路面よりも3m以上低いために、金属のパイプなどで嵩上げされて6.5mになったのではないか?」
と滑走路面から3m程度の高さではないかと分析されている。

最近、提供開始された地理院地図(電子国土WEB)によって検証を試みる。レーザープロファイラ(LP)による約5m四方平均の標高データが取得でき、滑走路、グラウンド、農地など平坦な地形では十分な精度を持っている。
Photo

結果は以下の通りで、舗装区間とローカライザー付近の地盤高の差はわずか20cmで、アンテナ部の地盤は特段低くないことがわかった。この差は舗装の最上層の厚みと思われ、滑走路東側の芝地は水平(レベル)だった。ちなみに、オーバーラン部両端の約40cmの差は、滑走路の縦断勾配0.5%によるものだろう。

・滑走路東端部  T.P.+324.8m
・オーバーラン東端部  T.P.+324.4m
・ローカライザー西側  T.P.+324.2m

滑走路端からローカライザーまでの縦断形状の例として、広島空港と同じCAT-Ⅲb運用可能な施設が整備されている釧路空港を以下に示す。広島空港と酷似したレイアウトだ。ローカライザーが設置されている図面左側の芝地は、緩い勾配を持って切り下がっている。
この図は模式図なので実際の高さを地理院地図で確認したところ、ローカライザーの設置地盤はオーバーラン部の舗装面から2m低いことがわかった。
仮に、釧路空港のローカライザーの高さが酒井アナウンサーが各地の施設で推定されている3mとすると、舗装部端部からわずか1mしか突出していないことになる。アシアナ航空の事故機ギアの高度はローカライザーの破損状況から3m前後と推定されることから、釧路空港では滑走路手前への接地は起こっても、ローカライザーへ接触しなかった可能性が高い。

Photo_2

なぜ広島空港では、滑走路手前の芝地が水平切りになっているのだろうか。
下図によればこの付近は切土となっており、掘削量を最小限とする理由が考えられる。柔らかい沖積地でなく、花崗岩の山塊で掘削単価が高いため、コストを考慮した設計だろう。
空港の端部は、大部分の空港が平地・海上・丘陵地を問わず盛土のため釧路空港のように勾配を持っていると思われ、広島空港東側のように切土で水平というのは珍しいようだ。

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また、ローカライザーそのものの高さが6.4mというのも、他と比較して高いようだ。地形的な理由からか省電力型なのか理由は定かでないが、広島空港は上記で整理した通り設置地盤高が他空港に比較して高く、むしろ低く抑え込む必要があるのに、なぜ高いのか謎である。

原因が人的要因か気象条件かのいずれかにかかわらず、着陸寸前の対応困難なタイミングに航空機が急降下する状況は想定される。このような状況下でも、機体損傷や負傷者を出しつつも人命を守るというのが、空港施設の設計思想である。このためには設計基準を満たすだけでなく、各設備の安全度を揃える(危険なものを叩く)ことがフェールセーフ設計の一端をなすと思える。
広島空港の東端にあったローカライザーは3階建ての建物に匹敵し、他の施設と比較して突出して安全度が低い。アンテナなので少々引っ掛けた程度では致命的な問題とならないと考えていたのかもしれないが、今回の事故は設備の一部がギアに絡まり車輪をロックさせ、機体がコントロールを失い斜面から転落寸前の位置まで暴走するという、前例のほとんど無いパターンの事故連鎖が起こっている。
飛行機による旅客輸送が始まって100年弱にすぎず、想定外の事故要因はまだ潜んでいるかもしれない。思い込みによらず、真摯な態度での調査・報道そして個人意見の発信を望むところである。


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桜 さくら

週末は天候不順で恒例の桜撮影に出なかったので、3月下旬に周南市徳山で見掛けた満開の桜を紹介する。
徳山は工業都市のイメージが強く、殺風景な工場群を想像しがちだが、中心部には見事な桜並木がある。

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市役所付近 防長交通の回送車と

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市役所付近

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県周南総合庁舎付近

山口県内の桜の多くは、花にボリューム感があり、絢爛豪華なのが特徴だ。岩国市錦帯橋周辺の桜が有名で、その中でも岩国藩主の居館跡である吉香公園の桜が見事である。撮影した周南市徳山の桜のうち、市役所付近の県道(旧国道2号)の桜は、この系統を引くものかもしれない。

県道は、空襲で焼け野原となった徳山の復興のため、都市計画道路として建設された。その時植えられた桜ならば樹齢70年弱となるはずで、外観からして間違いないだろう。大規模な空襲を受けた都市として最小クラスとなる徳山は、戦後の復興において新宿、原宿、青山といった東京の地名を付名するなど、ユニークな手法も用いられている。復興道路に植えられた桜の木も、県下の銘木から持って来る「こだわり」があったとしても不思議でない。


徳山中心部で桜を撮ったのは初めてだったが、デジカメと銀塩との比較のため古い写真を引っ張り出してみた。特殊な外式フィルム(コダクローム)のため、保存性は29年前の撮影と思えないくらい驚異的に高い。
しかし、外式フィルムをまともにスキャンできる国産のフィルム専用スキャナが絶版となっているため、スキャナの光量不足やピントの甘さに妥協しつつ、最終的にレタッチソフトによって仕上げている。
レタッチソフトで彩度を上げていくと、嘘臭い派手色が現れる限界がある。最新のデジイチのソースの方が、コダクロームより限界が現れるのが早いようなのである。これは、コダクロームのカラーバランスが非常に優秀であり、経年変化も小さいことを意味する。製造中止になって久しいフィルムなので今更どうにもならないが、世界遺産(記憶遺産かも)に指定する価値があったんではと思ってしまう。
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1986.4 長崎市内 PKR or KR


 

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「花燃ゆ」のラッピング列車[JR西・山口]

徳山駅で大河ドラマ「花燃ゆ」のラッピング列車を見掛けた。
放送開始の1月から走っていて色も褪せているだろうし、御熱心に取組まれている諸兄にお任せして、と考えて証拠程度に適当に撮っておいた。
ところが、この2日前の3月28日の運行開始だったことを今日知った。天候・光線が最高の「撮ってください」と言わんばかりの位置に据え付けてあったのに・・・
真面目に撮っておくんだった。

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奥へ回って順光で撮ろうとしたら、動き気始めた!

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程なく戻っきてきて、ホームへ据え付け

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テレビ番組のラッピング車両は、通常は放送開始の時期に合わせることが多いが、今回はだいぶ遅れて始めた。何か事情があるんだろう。

 以下、個人的な憶測。
・観光シーズンに合わせて開始時期を設定した?→3月に入って約1カ月、ダイヤ改正から2週間の出遅れで、これはあり得ない。
・ラッピングを美しく保つのは9カ月程度で、大河ドラマは約1年間の放送枠のため、放送期間の前後をラッピング期間から外さざるを得ない?(広告ではもっと長期間使用するが、人物画像があり俳優や所属事務所が絡むので少しでも汚いのはNG?)
・年度末で予算が余ったので、執行した?
・視聴率が余りにも低いので、テコ入れした?→人口閑散地区を走らせてどんだけ効果が?

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徳山で見掛けた117系。以前見たことがあるような無いような。

大阪市営地下鉄御堂筋線で「ごちそうさん」車両ラッピングをやった時も、編成全部が番組広告でなく1両だけだった。
今回も、両端のみ番組広告で、中間車は山口県か関係市の広告っぽい。正式なアナウンスは無いのだが、放送時間がキチッと入っているところは御堂筋線と同じだし、NHKの全車体広告という扱いかもしれない。広告料は格安かもしれないが。

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イラストだけかと思ったら、戸袋部に女優さんの顔写真があった。父親の出身地から数キロしか離れていない所を走る。


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